北海道に納車させていただいたTTオーナー様からメールをいただきました。車両の状態をとても喜んでいただいた内容にほっと一安心です。 前オーナーの中村さんと佐々木さんが大事にしてくれたおかげで安心して納車することが出来ました。
北海道のエンスージアストたちは趣味車を買うのも大変です。見に行きたくとも他県まで距離が長く時間も費用もかかる。道内で探そうとも錆の心配もあるし、趣味車でいうなら球数も限られる。現車確認したいけど、仕方ないから見ないで購入する方も多くいらっしゃると思います。綺麗な在庫車の写真を見て問い合わせをすると
「ピカピカですよー!」
「全部やりますよー!」
と言われ、信じて楽しみに待っていると想像外のクルマが届く。渡した後は全てノークレームで電話に出ない業者もいますからね。ヤフオクやメルカリの個人売買じゃないんだから・・・電話くらい出ろよ、って思いますけど。
中古車屋で「全部やります!」って言う方がいらっしゃいますけど、全部っていうと誤解をしてしまうケースがあるので、私は使わないようにしております。壊れている個所と、すぐにダメになりそうな個所をしっかりとやっていただき、内外装の磨きをかけて納車しております。
傷もあって、経年劣化がそれなりに見られる個所があって、納車された日から何が起きてもおかしくないのが中古車。その中でも出来るだけトラブルの少なそうな個体を見つけてきて、しっかりと整備をして納めるのが私たちの役割です。
前にトラブルが嫌なので全ての予防整備をしてから納めてもらうことも出来ますか?と聞かれたことがありますが、それは無理ですと答えました。その時に狙っている車種を聞いたらアルファロメオ156とのこと。その方の要望通りにタイベル、クラッチ、足回り、ブレーキ等・・・をやって多額の費用をかけても、次の日にウインドレギュレーターが壊れることもありますし、どこかのバルブが切れることもあります。
本当にトラブルが嫌な方はそのトラブルでも嫌になる。その時に全部やったんじゃないの?と問われても、壊れていないレギュレーターを交換するわけにもいかないし、バルブは切れたら交換すればいい。新古車でしたらそのような不具合に不満が出るのは非常にわかりますが、年式が経つクルマに現代車をベースに語られては話になりません。
趣味でネオクラシックに乗るんですから、トラブルとうまく向き合っていくのは必須です。例に挙げた156はもう20年選手ですからね。2000年でいうと、初代フィットや初代ヴィッツが出始めた頃です。世界一壊れづらい国産車でもその世代のクルマはほとんど見なくなりました。ただ、壊れづらい国産車でもミッションからジャダーが出たり、500㎞走ったらオイルが1ℓ減ったり、結構色々ありますよ。
クルマは消耗品ということを理解していない方が趣味車の世界に飛び込むと
「すげー壊れるから無理だ!」
なるケースが多く、ネットに書き込んで、雪だるま式に噂が広がっていく。
「アルファロメオって壊れるらしいよ」
「フェラーリの車検って毎回三桁になるらしいよ」
ネットには「らしい話」が蔓延しております。私は販売店に勤めるものとして、らしい話ではなく実体験で得た話をしていきたいですね。