こちらはアトラストラック。
トヨエース、ダイナ、・・・1.5tクラスで後ろがダブルタイヤならOK! とオーダーをいただきまして、少し前になりますが無事に納車することが出来ました。
ディーラー整備で車検も長い、内装もキレイで、タイヤを含めた消耗部品の残もOK。個人的には満足いく仕入れができたと思っております。
こちらのオーダーを受け、普段はほとんど行くことのない、咥えたばこに角刈りのおっちゃんひしめくトラックコーナーへ。
事前に代表が下調べをしており、その候補は3台、最初にトヨエース、次にダイナ、最後にトヨエースを下見をすることになりました。 各候補車を見ていくと、一番先にセリが始まるトヨエースから
「まあまあ、出来ればパスしたい、サイコー」
との順でセリが始まることに。
オーダーしてくれたお客様は予算が合えば、内外等はヤレていても大丈夫!機関さえしっかりしていれば、とのことでしたので、この候補中どれを選んでも問題はないようにも思う。 ただ、出来ればパスしたい個体が私に話しかけてきた内容を聞き取ると
「俺、今まで仕事で生きてきたッス! 内装はタバコに汚れにほつれ、外装は幾重もの現場を乗り切った証が頼もしいでしょ! タイヤもつるつるさ! たくさん走ったからね!」
と、今まで頑張ってきた仕事を一生懸命主張してくる一台でございました。
これが人であれば
「ああ、この人は妥協しない仕事で周りからの信頼も厚いのだろうな!」
と感心するところではありますが、アナタは車。 そう、これからのオーナーさんと一緒に仕事をしてもらう車なのであります。 んなわけで、ちょっとお疲れ気味の個体はパスしたい・・・だが、納期が迫っているし、予算もある。 悩みます。
で、一台目のセリが開始。
「ぽちぽちぽちぽち・・・(早くみんな降りてよ)・・・・ぽちぽち・・・(やめて)・・・ぽち・・・」
結果、惨敗。 程度にしては高すぎた。 タイヤも駄目だし、車検もないし、持ってきてからの費用の計算により、一回目のトヨエースは断念。 これが落とせれば気が楽だったのに・・・と、そんなに残念がる暇もなく、次の個体のセリが近づく。
さて、ここで問題が出てくる。 次のお疲れさんの個体は多分、予算内に収まるであろう。 ただ、その次に出てくる個体は車検も1年あり、色々な消耗品の交換もなさそう、内外装もキレイ・・・ということで、予算は一台目より多く考えても良さそうだ。
が、買えなかったらどうすんべよ。 納期も迫っているし、安全に最初を取るか、勝負をかけて次に向かうか・・・・時間がない。
車の仕入れに限らず、仕入れは何でも同じだと思うのだが、現物が良くて予算内だったら買うし、ダメなら買わない。 んなもので、私と代表のどちらかが行くかで見る目も違い、当然仕入れも変わってくるのだが、今回の仕入れ担当は私。 後悔はしたくないし勝負に出るべ。
お疲れさんのセリが始まる・・・。 結果、予想通りに狙えばゲットできた価格でした。 その瞬間、店で待機している代表から電話。
「買わなかったの?」
「はい、次の狙ってるやつがあるんで」
「わかった」
・・・。 次変えなかったらどうすんべ。 ああ、どうすんべ、と思いつつ、次の番を待つ。
そして、サイコーの個体が始まる。
「ぽちぽちぽちぽち・・・・・(まだ収まる様子がないな)・・・・・ぽちぽち・・・・(やっと多くのライバルが降りてきた)・・・ぽちぽち・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(ああ、止まって・・・)・・・・・・・・・」
負けた。 だいぶ、無理をしたけど負けた。 ああ、負けた・・・と嘆いていてもしょうがない。 そして、負けた瞬間、またダッシュでトラックコーナーへ下見へと戻る。
下調べ時は「トヨエースとダイナ」を中心に考えておりましたが、後ろがダブルタイヤで1.5tクラスということは、アトラスもOKなのです。
数時間前は目に入らなかったアトラスも意外とまだ多くの個体がセリ待ちであり、今度はアトラスを中心に見る。 そして、良さそうな個体が2台。
1台目、文句なし。 2台目、荷台にキズはあるが、それ以外は問題なし。
その2台をじっくり見て帰ると、もうそろそろセリの時間だ。 今回は文句なしの個体が最初、次にまずまずの個体。 と、いうことで順番は問題なし。
で、文句なしの個体のセリが始まる。
・・・結果、トラックなのにどうしてそんなにきれいなの?前の持ち主に乾杯・・・いやいや、予想通りの完敗。 さすがに乗用車だけには限らず、商用車もきれいな個体は値段が高い。 何もしなくても商品に出来る。皆、考えることは同じです。
8割方、無理だろうなと感じていた1台目は仕方がないし、後悔もない。 問題は次だ。 これで落とせなかったら、責任はすべて青松。 明日から
「君、しばらく休暇をとってはくれまいか」
と言われかねない状況に、緊張が走る。
結果が最初にも出ていたアトラス。 勝負に負けたけど、敗者復活で見事に生還。 と運も味方にすることが出来ました。 結果、お疲れさんより費用は安く抑えられましたし、長く乗ることを考えると素敵な個体を納めることが出き、非常に満足しております。
・・・ただ、結果オーライだったけど、あまり精神的によろしくなかった。 次はもっと安定した立ち回りをしたいものでございます。
と、いうか、
「最初からアトラスも候補に入れておけよ!」
との反省を次に生かし、次にオーダーをいただいた「軽トラ・低走行・年式17年~・予算45~50・内外装キレイ・スズキ以外」のご注文は無事に納めることが出来ました。
スズキが駄目ならば同時期のスクラムは却下、ならばハイゼット、サンバー、ミニキャブ、クリッパー、アクティ、ピクシス・・・なんでも来いや! と威勢を張り上げ仕入れた個体は
「クリッパートラック 距離が8千キロ」
また日産にお世話になることとなりました。 クラシックカーは人気ですが、商用車はそれほど人気なく、2トン級ならトヨエース、商用車ならハイエース、軽トラならスズキやスバル・・・のライバル陣より比較的低価格で乗れます。
ありがとう日産。 またよろしくお願いします。
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