チワワの散歩帰り・・・

夜の８時、家に帰ると同時にチワワの散歩に出かける。　公園までの距離は800ｍと距離はないが、途中の犬の鳴き声や車の走行音にビビるアイツを思い、車に乗せて２分のドライブで公園へ。

車をいつもの場所に止め、スコップと袋とリードを手に持ち、ナビシート下に陣取るチワワをドアを開け両手で迎えるとシッポの回転数は全開で、後の掃除に苦慮する。

「今日の納車でミニのオーナーさんもルーテシアオーナーさんも喜んでいたな。よか仕事ができたとよ。　よかバイよかバイ。」

俺の安堵した表情に喜んでいるのか、ただ散歩が嬉しいだけなのか、いつもにまして気合の入ったチワワ・・・と、思っていたら、いつもの場所に見慣れない車が５台ほど並んでいるではないか。　

人見知りのチワワが反応していたのはそっちのほうだったのね・・・若い男女がミニバンや軽、スポーツカー、シャコタン、電飾etc・・・ジャンルは問わず、車の前で談笑中だ。　

歳は20前後の若者たち。こんな光景がこの公園でも見られるんだ・・・扱っているジャンルは違えど、週末の店内もそんな感じの雰囲気だ。　それが昼間の店なのか、仕事終わりに集まる週末の夜の公園なのか、の違いであって、週末従業員・中島さんもうちがなくなったら、寂しくなって公園の集まりに参加しているかもしれない。　いや、しているだろう。　今、後悔している

「うちの係長も仲間に入れてもらっていいですか？」

と聞いておけばよかった。　

車を定位置に置き、いつも通りの散歩コースをブラブラ歩くこと20～30分。　戻ってくると車が爆発的に増えているではないか。　

「少人数の集まりではなかったのね・・・」

週末の大黒ふ頭のように爆音を鳴らしている（想像）わけでもなく、30人ほどが楽しそうに話しをしているだけなので、何も問題はないのだが・・・問題はコチラ。

完全に停める場所を間違えた・・・。

そこに停めたか、30分前の俺。　流れを読み間違えるとはこのことか。敏感に相手の気持ちを察知できる能力を身に着けていたと勘違いしていた俺を見下すチワワ。　

「ここは私に任せておけよ・・・」

と身震いする俺の横で身震いしている頼もしいチワワ。　

で、近づいていくと

「かわい～」

まさかの大人気を得るチワワ。　身震いしながらウルウルしている姿が人気のようだ。　お前は演技しているのか・・・寺田心君ばりの演技なのか？　それとも本当に怖がっているのか・・まあ、どちらでもいいが、助かりましたよ。　犬好きに悪い人はいまい。僕も仲間に入れてもらっていいですか？との声を押し殺し聞いてみる。

「なにかの集まりッスか？」

「車繋がりの集まりなんです！」

「そうなんですか～、楽しんで！」